東北6県プラスαの観光記事を手掛けて幾星霜。
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とうほく Diary
秋の食
秋田市/冷えた体をあたためる「きりたんぽ鍋」の幸せ
2022/11/01
長年秋田で親しまれてきた郷土食
秋田といえば「あきたこまち」に代表される米どころとして知られます。澄んだ水で育まれた秋田米を炊き、練ったものを秋田杉の棒に巻いて、囲炉裏ばたで焼いたものが「きりたんぽ」。今回は秋田を代表する、味わい深い郷土食についてご紹介します。
きりたんぽは一見、もち米を使用しているように思えますが、実は日頃“ご飯”として食べている「うるち米」を使って作られます。そのルーツは「冷や飯の再利用法であった」「マタギ料理であった」など諸説あり、はっきりとしたものは不明です。一般に比内地鶏でとったスープでゴボウやセリとともに煮込む鍋料理として提供されますが、ほかにも味噌を塗って焼いた「味噌たんぽ」や、焼かずにまるめた「だまこ餅」など、さまざまな形の食し方があります。
米を練ってつぶす際、あえて完全な餅状にせず米粒の形状を残してつぶすことを「半殺し」といいますが、きりたんぽも“半殺し”で作ります。秋田杉の串に巻きつけ、表面がほんのりキツネ色になるまで炭火で焼いたものを「たんぽ」、鍋に入れる際に切ったものを“切ったたんぽ”、すなわち「きりたんぽ」と言われるようになったとされています。秋田の家庭には家ごとに作り継がれたきりたんぽ鍋の味があり、家族団らんのひとときにかかせないおふくろの味となっています。
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今回のライター
ライター
吉田 美奈子