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とうほく Diary
まつりゆかりの地
盛岡市/「盛岡さんさ踊り」発祥の地で鬼退治伝説に触れる
2024/07/01
鬼の手形が残るパワースポット『三ツ石神社』
盛岡の夏を代表する祭りといえば、8月1日~4日に開催される「盛岡さんさ踊り」。色とりどりの衣装をまとった踊り手たちが、太鼓や笛の音色に合わせて「サッコラ、チョイワヤッセ」の掛け声とともに中心市街地を練り歩く、伝統の祭りです。工夫を凝らした衣装や踊り、地域に伝わる伝統さんさ踊りなど、参加団体ごとに違いがあるので見比べるのも楽しみの一つ。最終日には「世界一の太鼓大パレード」、誰でも参加できる「大輪踊り」が行われ、会場全体が一体となって盛り上がります。
パレードをメインとする現在の祭りが始まったのは1978(昭和53)年ですが、さんさ踊りの起源は藩政時代、名須川町の『三ツ石神社』が発祥の地とされています。伝説によると、昔この地方に羅刹(らせつ)という鬼が住んでおり、住人や旅人に悪さをしていました。そこで住人が三ツ石の神様に祈願して鬼を捕まえてもらい、境内にある巨大な三ツ石に縛りつけました。住人は鬼に二度と悪さをしない、二度とこの地方にやって来ないことを誓わせ、約束の証しとして三ツ石に手形を押させて逃がしてやりました。鬼が退散したことを喜んだ住人は感謝して「さんさ、さんさ」と何日も踊り続けたといいます。この踊りがさんさ踊りの起源といわれており、現在も祭りの開催前には祭りの安全と成功を祈願して踊りが奉納されます。
鬼の手形の跡には苔が生えないといわれています。風化が進み見えにくくなっていますが、伝説に思いを巡らせながら探してみてはいかがでしょうか。
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今回のライター
ライター
金 奈美恵