佐竹家ゆかりの如斯亭主屋と日本庭園の緑

初夏の風に吹かれながら本格的な日本庭園へ、緑を探しに行ってみませんか？今回ご紹介するのは、旧秋田藩主佐竹家の別邸である如斯亭の庭園です。名君として名高い9代藩主・佐竹義和（よしまさ）が「如斯亭」と命名し、見どころとなる園内十五景が選定されました。藩主が鷹狩りに行く際のお休み所として、また文人墨客たちの交遊の場に利用されていたと伝わります。

さて、庭園に目を向けてみましょう。遠州流の流れを組むこの庭のフォーカルポイントは高野石の巨石。また池の中に配置された雪見灯籠には、およそ250年間伝わってきた味わいが漂います。シンボルツリーは樹齢約550年のケヤキで、幹回りが6.2mほどの巨木です。庭中の北東隅には築山があり、その谷間に流れるせせらぎは、まるで自然の風景をそのまま写し取ったかのよう。その見事さは近代造園の祖といわれる長岡安平が「東北では無二の名園」と絶賛したほどです。