車窓の360度を紅葉で埋め尽くす迫力の山岳ルート

車窓を360度埋め尽くす、鮮やかな紅葉の大パノラマ。福島市からご紹介するのは、ビッグスケールな秋と出会えるスポットです。

吾妻の山並みを縫って高湯温泉から土湯峠へと向かう「磐梯吾妻スカイライン」は、全長約29km、最高標高1,622mの山岳観光道路。吾妻山の裾野に広がる高原の風景が評判で、特に9月下旬～10月中旬頃の紅葉時期は、全国から多くの人を集めるほど見事です。入口付近から最高標高へ至るまでの高低差によって現れる紅葉のグラデーションは秋を深めるごとに変化し、視界へとダイナミックに迫ってきます。連続するヘアピンカーブを右に左にと曲がるたび車窓の風景が切り替わり、新たな絶景が次々と展開する鮮やかさから「日本の道100選」にも選定されました。

実はルート沿いから絶景ポイントが8つ選定されていて、それぞれにあの作家・井上靖が命名しています。それが「吾妻八景」。まずは高湯温泉側から入って6.7kmの位置にある「白樺の峰」、その先1km進めば、不動沢橋がかかる「つばくろ谷」へ。さらにその2.2km先に「天狗の庭」、そこから5km刻みで「浄土平」、「双竜の辻」、「湖見峠」と続きます。続いて1.3kmで「天風境」、そして最後に1kmほどで「国見台」へと至ります。標高差によって紅葉の見頃は異なり、浄土平周辺の高地が見頃となるのが９月下旬頃。中腹の不動沢や、天狗の庭付近は、10月中旬頃に見頃を迎えます。特に不動沢が見頃を迎えた「つばくろ谷」の美しさは圧巻のひと言。周囲はカエデやダケカンバが美しく色づき、不動沢橋の上からは紅葉と滝とのコラボレーションを楽しむことができます。