荒涼とした“地獄”を鮮やかに染める、八甲田山の秋

さてここから車で西へ5分の「地獄沼」も隠れた紅葉スポット。付近には千人風呂で有名な酸ヶ湯温泉があり、その源泉が湧き出ている場所でもあります。地獄沼の水はかつての火山活動によってできた火口から少しずつたまった温泉水。魚が生息することもできない強酸性で、まわりには草木も生えません。また周囲には噴気口がいくつも口を空け、そこから90℃の熱湯や硫黄を含んだガスが噴き出ています。強い硫黄臭の中もうもうと湯気煙るさまは、まさに“地獄”さながら。荒涼とした風景が広がります。

しかし秋になるとその趣きは一変。八甲田山のブナやカエデ、ハクサンシャクナゲの赤にハイマツの緑が湖面に映り、一帯は鮮やかな色に満たされます。白い湯気が幻想的なムードを演出し、その様子はまるで絵画のよう。ギャップの落差も魅力のひとつです。

さらに酸ヶ湯温泉から車を青森市街へ10分ほど走らせれば「八甲田ロープウェー」の山麓駅へ。こちらでゴンドラから眼下に広がる紅葉を楽しむのもおすすめです。さまざまなロケーションと紅葉とのコラボレーションに目を喜ばせる、秋の休日をぜひ。