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秋田竿燈まつり

五穀豊穣の願いを込めて夜空を彩る

竿燈まつりは、約270年もの歴史をもつ国重要無形民俗文化財で、長い竹竿にたくさんの提灯を吊るした「竿燈」を、「差し手」と呼ばれる腕自慢たちが手のひら、額、肩、腰に乗せ、絶妙なバランスで操る伝統的なおまつりです。竿燈全体を稲穂に、吊るされた提灯を米俵に見立て、五穀豊穣を祈願します。竿燈の長さは5mから12mで、最大で46個の提灯を吊り下げた竿燈は50kgもの重さがあります。大きな竿燈を自在に操る差し手の技は、力四分、技六分と言われ、日々の訓練とバランス感覚が必要です。代々受け継がれてきたその技はまさに名人芸!笛の合図と同時に、夏の夜空に一斉に立ち上がる約280本の竿燈はとても美しく、天の川が降り注いだような光が通りを埋め尽くします。竿燈が上手にあがると「ドッコイショー、ドッコイショ」という掛け声で盛り立てます。また、「オエタサー、オエタサ、根ッコツイタ、オエタサ」という掛け声もあがります。これは竿燈が差し手の手のひらや額などにうまく据わっていて、稲の根がついたように動かないことを表現する掛け声です。米俵を模した提灯には、町内の象徴となる町紋が描かれています。風雅や長寿、子宝、豊作などを意味する縁起物をモチーフにしており、今の時代から見ても洗練されたデザインが多いので、提灯と半纏に描かれた町紋にも注目してみてください。また、竿燈まつりのメインは夜本番ですが、昼にしか開催されない「竿燈妙技大会」も必見です。竿燈妙技大会では、差し手と囃子方それぞれの技自慢たちが熱戦を繰り広げます。夜本番とは違う、真剣勝負の竿燈が見られるので、ぜひ訪れてみてください。

五穀豊穣の願いを込めて夜空を彩る
五穀豊穣の願いを込めて夜空を彩る
秋田県公文書館蔵「風俗問状答」

職人が繰り出す「竿燈妙技」

大きな竿燈を支える技は、大きく次の5種類に分かれます。
2人で竿燈を起こし、利き腕で差し上げたら、次の差し手が継竹を足す。高く差し上げいったん手のひらに静止し、親指と人差し指の間から15センチほどずらして支える「流し」。
竿燈を利き腕の手のひらに乗せて高々とかざし上げて見せ、力強く豪快な基本技「平手」。
指の間から静かにずらし、額に乗せる。静止させる。両手を大きく開いてバランスを取り、観客を圧倒する見せ場を演出する「額」。
利き腕で支えてまっすぐ肩に降ろし、両手を広げ、軸足と竿燈を一直線にするのが美しいとされる「腕」。
指の間からずらして腰に乗せ、上体を程よく横に傾け、両足を開いてバランスを取る、5種類の技の中でもクライマックスに映える大技「腰」。

職人が繰り出す「竿燈妙技」

竿燈の難しさを実感

秋田駅前では、ミニチュアの竿燈を体験出来るコーナーもあります。差し手の妙技を見るだけでなく、実際に体験することでより差し手の凄さや技の難しさを実感できるかも!また、竿燈屋台村やご当地グルメフェスティバルでは秋田の地酒や郷土料理、B級グルメやスイーツなどを味わうことができ、1日中まつりをお楽しみいただけます。

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