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とうほく Diary
工芸
盛岡市/伝統を重んじつつ、革新・進化を続ける南部鉄器。いま、海外で大人気の理由とは。
2025/10/30
 
			
					世界のニーズをとらえ、進化の歩みを止めることはない盛岡の作り手たち。
『岩鋳鐡器館(いわちゅうてっきかん)』は、盛岡の南部鉄器メーカー『岩鋳』が運営するテーマパーク型ミュージアム。釜師と呼ばれる職人たちの技が身近で見られます。展示ギャラリーには、今昔の鉄器がずらり。ものづくり集団として時代の変化を受け入れ、道具として機能性を高めながら、進化を遂げた様子に感動すら覚えます。
一方、鉄器工房『釜定(かまさだ)』は、趣ある日本家屋の店舗に、日用品やテーブルウエアが所せましと並びます。作品は一様に洗練された美しいフォルムで、無駄を削ぎ落とし用の美を追求していることがわかります。
南部鉄器の鉄瓶で沸かした湯は、口当たりの優しいまろやかな味で知られています。お湯に溶け出す鉄分によって不足しがちな鉄分を補うことができ、白湯で飲むだけでも体に優しい。お茶やコーヒーが好きな方は電子ケトルを鉄瓶へとアップデートするのもひとつ。最近はIHコンロで使用できる鉄瓶もあります。
使い方にはちょっとしたコツが。まずは毎日使うこと。そして使ったら蓋を開けて余熱でしっかり内部を乾かすこと。そうすることで湯あかと呼ばれるカルシウムが内部に付着してサビを防止してくれるのです。丈夫な鉄器は使い続けるほどに味わいが増す、自分だけの一生ものの道具になってくれるのです。
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今回のライター
ライター
門馬 祥子


