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工芸

盛岡市/伝統を重んじつつ、革新・進化を続ける南部鉄器。いま、海外で大人気の理由とは。

2025/10/30

盛岡市/伝統を重んじつつ、革新・進化を続ける南部鉄器。いま、海外で大人気の理由とは。

丈夫で地味なイメージの南部鉄器が、華やかなカラー・モダンなデザインに進化。

岩手県の伝統工芸品といえば南部鉄器。その歴史は古く平安時代までさかのぼりますが、盛岡の地に根付いたのは、茶の湯の発展とともに南部藩主が京都から職人を呼び寄せたことがきっかけ。以来400年以上、鉄を型に入れて流し固める鋳造(ちゅうぞう)技術を用いた茶の湯釜や鉄瓶などの製造技術が連綿と受け継がれています。

南部鉄器といえば、重量感があり堅牢で、ざらりとした独特の風合いが特徴。色は黒く装飾はシンプルなためどこか無骨な、東北らしい素朴さが魅力ですが、近年は、カラーリングやサイズも豊富になり、明るく華やかなイメージに進化しています。約30年前、フランスの老舗紅茶メーカーの依頼でカラフルな急須の開発に着手し、数年かけて発色の良いカラーリングの技術を確立。パッと目を引く明るい色の鉄器も登場し、海外はもちろん、日本でも南部鉄器の進化に驚く方が増えています。

今や海外人気の広がりは急速で、日本国内の売上を上回るほどの勢いで親しまれています。伝統を守りながらも現代の生活に合うよう機能面が強化され、より洗練されたデザインへと発展を遂げました。南部鉄器のお膝元でその進化した用の美に触れる旅にでかけましょう。

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今回のライター

ライター

門馬 祥子

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