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とうほく Diary
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山形市/“もう一つの山寺”。霊場「垂水遺跡」の神秘に触れる
2024/08/01
山寺開山のルーツ。自然の中に息づく精神文化
「山寺」の通称で親しまれている「宝珠山立石寺」は、山形県を代表する名刹。貞観2年(860年)、慈覚大師円仁によって開かれた天台宗の霊山です。「閑さや岩にしみ入る蝉の声」は、松尾芭蕉が山寺を訪れて詠んだ名句として、広く知られています。 山寺は、山そのものが信仰の場。山門から奥の院まで続く長い階段を上った先には、息をのむほどの美しい絶景が広がっています。
そんな山寺の奥にあるのが、山形県民にもあまり知られていない「峯の浦」です。実はこの場所は“裏山寺”とも呼ばれており、山の中にひっそり存在するパワースポットでもあります。
最上三十三観音の二番札所である「千手院観音堂」から入るのが、峯の浦への一般的なルート。お堂の裏山をしばらく登ると、突然白い岩肌が現れます。まるでハチの巣のように穴が開いたこの巨岩は、「垂水遺跡」と呼ばれる場所。ここには古峯神社や稲荷神社、不動明王が点在しており、木製の鳥居や祠(ほこら)とともに神秘的な世界観をつくっています。
立石寺開基に先立つ天長7年(830年)。慈覚大師円仁は垂水遺跡の荘厳さに圧倒され、ここで山寺開基の構想を練ったと伝えられています。修行した岩窟は今も残されており、「円仁宿跡」と名付けられています。
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今回のライター
ライター
金 奈美恵