盛岡市街を着飾った“馬コ”たちが行列する「チャグチャグ馬コ」

馬の名産地としても知られる岩手県では、農用馬に感謝し、無病息災や五穀豊穣を祈る伝統行事があります。毎年6月第2土曜に行われる「チャグチャグ馬コ」です。「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選択されており、今年は6月10日(土)に開催。馬たちのパレードを見学しながらの街歩きも一興です。

「チャグチャグ馬コ」の始まりは200年以上も前。岩手では人と馬が一つ屋根の下で暮らすなど、愛馬精神が根付いていました。そこから、馬の守り神である「蒼前神社」を訪れて馬の健康を願う「蒼前参り」が浸透し、華やかな馬具で飾って参拝することが大流行したと言われています。「チャグチャグ」の名前は、装束に付けられた鈴の音にちなんだもの。その音色は「日本の音風景100選」に選定されています。

当日は、色鮮やかな装束をまとった約60頭の馬コが、盛岡市に隣接する滝沢市の「鬼越蒼前神社」から「盛岡八幡宮」まで、約14kmを約4時間かけてゆっくりと行進。途中の青山町ふれあい覆馬場プラザ前、材木町商店街は馬コの休憩場所で、馬コを間近でご覧いただけるほか、鬼越蒼前神社、ビックルーフ滝沢、中津川では、係留馬と観客とが触れ合える人気スポットになっています。引き手や馬コの背に乗る女性・子どもたちも昔ながらの衣裳に身を包んでおり、行列を通した街並みは、いつもと違って見えるでしょう。