東北六県をメインフィールドに、今日もどこかで取材旅。プライベートでも、国内外問わず旅行好き。
とうほく Diary
至高の酒
盛岡市/150年以上にわたり南部杜氏が受け継いだ盛岡の地酒「あさ開」
2023/02/03
原料にこだわり、手間を惜しまず
岩手県の石鳥谷を拠点とする「南部杜氏」は、新潟の「越後杜氏」、兵庫の「丹波杜氏」と並ぶ「日本三大杜氏」の一つ。全国に数ある杜氏集団の中でもっとも規模が大きく、互いに腕を磨きながら品質の向上に努めています。
盛岡市にある酒蔵「あさ開」も、歴代の南部杜氏によって酒造りの技と知識を長く受け継いできました。創業は明治4年。南部藩の藩士、村井源三が武士を辞め、酒造りをしたのが始まりです。以来約150年、今では各鑑評会やコンクールの受賞常連として全国にその名が知られています。
仕込み水に使っているのは、敷地内に湧く大慈清水。平成の名水百選にも選ばれた水で、まろやかな口当たりは「あさ開」の酒造りに欠かせません。
米は、酒米の最高峰「山田錦」をはじめ、岩手で開発した酒造好適米「結の香」「吟ぎんが」等を使用。厚生労働大臣より「現代の名工」に選ばれた南部杜氏、藤尾正彦氏による指導のもと、引き継いだ若手が手間暇を惜しまない酒造りを行います。
数ある銘柄の中でも、「あさ開 磨きシリーズ」は、南部杜氏が手作業で醸したプレミアムなお酒。山田錦を3日かけて磨き、寝る間を惜しんで製麹(せいぎく)や醪(もろみ)の温度管理を行うことで、華やかな香りと凛とした味わいが生まれます。
「あさ開」では手作り工程と、新鋭設備を用いた近代工程を取り入れており、どちらの蔵も見学が可能(要予約)。試飲もできますよ。
- 1
- 2
おすすめの記事
今回のライター
ライター
関東 博子