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とうほく Diary
冬の暮らし
盛岡市/小正月をカラフルに彩る伝統文化「ミズキ団子」
2023/01/05
五穀豊穣、無病息災の願いを込めて
1月15日は小正月。全国には各地に根付いた小正月の風習があり、それにちなんだ行事があちらこちらで催されます。盛岡市内でも、この時期が近づくと、家や店先などに愛らしい“実”を付けた枝木が飾られてます。その正体は、岩手県内で昔から受け継がれてきた「ミズキ団子」。小さな丸い形をした“実”は、米粉で作られた団子です。食紅などで色をつけたカラフルな団子をミズキの枝先に付けたことが、ミズキ団子という名前の由来に。同様の風習は全国各地にあり、地域によっては「餅花」や「マユダマ」などと呼ばれています。さらに、東日本の広い地域では、団子をまん丸ではなく繭のような俵型にし、養蚕の繁栄を祈る風習もあるのだとか。ミズキ団子には、五穀豊穣や無病息災などの祈りが込められています。
色とりどりの団子だけでなく、ときには、小判や鯛、大黒様といった縁起物が描かれたモチーフを枝木に吊るすことも。盛岡の街を散策すると、個性豊かな「ミズキ団子」に出合えるかもしれません。
また、団子をつける枝には、ヌルデやエノキ、ヤナギの木を使う地域もありますが、盛岡ではミズキが定番。ミズキの木は赤みを帯びており、赤が縁起のいい色であることや、芽が上を向いて出るところから「運が上を向くように」という験担ぎの意味合いもあるそうです。
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今回のライター
ライター
関東 博子