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とうほく Diary
冬の暮らし
山形市/冬の風物詩、蔵王の「樹氷」は大自然が生んだ奇跡の芸術
2022/12/28
雪山の斜面に現れる、幻想的な自然現象
山形と宮城の県境にそびえる蔵王山(連峰)は、日本百名山の一つ。春から秋にかけては、トレッキングや登山を楽しむ人がたくさん訪れます。冬になると、ウインタースポーツに加え、“自然が生んだ芸術作品”を求めて多くの人が山頂へ。スキーもスノーボードも持たない観光客のお目当ては、冬の蔵王の風物詩「樹氷」です。毎年、12月下旬から3月上旬にかけて、蔵王山(連峰)の斜面が、氷や雪をまとった真っ白い樹木に覆われます。これは、いくつもの自然条件が重なったときにしか見られない貴重な光景。特に山形側の蔵王で見られる樹氷は、規模も完成度も一級品。世界でも珍しい絶景です。モコモコとしていて今にも動き出しそうなフォルムから、「スノーモンスター」とも呼ばれています。
樹氷は、大気中の水蒸気や水滴が強風で樹木にぶつかり、雪とともに凍ってどんどん成長していきます。気温や風の強さ、風向きなども細かく関係しており、山に自生している樹木も、氷や雪がつきやすいアオモリトドマツ(オオシラビソ)でなければこの不思議な形になりません。過酷で特殊な環境が、幻想的な光景を生み出しているのですね。
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今回のライター
ライター
関東 博子